『喜びの歌』と結婚相手

NHK教育で、合唱付第九を放送していた(再放送だが)。日本では、年末になるとよく第九を演奏するが、これを聴くと思い出すことがある。
私の通っていた小学校には、一時期合唱クラブがあった。授業とは関係なく、希望者が集まって朝や放課後、休みの日などに練習をし、時にはコンクールなどにも出るもの*1で、友人たちに誘われて私も入っていた。
クラブの指導をされていた先生は非常によく「語る」人だった。合唱の指導中や、発声練習中、はたまたピアノで伴奏をしながらでも、とにかく思いついたらそれまでの一切を止めて(いきなり合唱を止める、発声練習を途中で止めるなど)、熱く早口で音楽の素晴らしさなどを語っていた。
ある朝、発声練習中に彼は第九について語りだした。歌は素晴らしい、音楽は素晴らしい、喜びの歌(第九)は素晴らしい。まさしく人の喜びを表現し…うんぬん。いつものように早口で語った彼は、こう言った。
「みんな将来結婚するなら、これ(第九のメロディーを鼻歌で歌う)が聞こえてきたら、「晴れたる青空!漂う雲よ!!」ととっさに歌える男性*2じゃないとダメです!」
おそらく音楽の素養のある人(というより彼的には当然の教養のある人)と結婚しろと言いたかっただけだと思われるが、何故か未だにコレが忘れられない。子供心に「そっかぁダメなのかぁ」と納得して(思い込んで)しまったせいだと思う。
別に本気で「『喜びの歌』が歌える人がタイプv」とか思っているわけではないが、ふと、年末に第九が聞こえる頃になると思い出す。多分、将来万が一(笑)、結婚するようなことがあれば、相手に「『喜びの歌』って歌える?」と聞いてしまいそうだ。
幼児体験(小学生なので正確には幼児でもないが)は、なかなかに侮りがたい。

*1:実は私は合唱だけでなくアンサンブル(?正式名称は忘れたが各パート2人ぐらいで歌うもの)にも出たことがある。音痴なんだけど・笑

*2:合唱クラブはほとんど女子だった