Y先生の哲学

先日、某大学の日文系のY先生とご一緒させていただきました。別に友達とかではなく(そもそもそんな恐れ多いことをいえる方ではない御大)というかぶっちゃけ接待です。


とりあえず、一通り娘さんと息子さんの自慢話をお聞きし(あれだけ愛してるとなると相当だ)、お決まり(?)の「ウチの息子、どうだね?(訳:嫁にならんか)」を言われつつ*1酌をする。私も丸くなったもんだ(笑)

大学教授という人種は、比較的人と話をすることが好きな人が多いように思う。なにしろ授業ともなれば喋るのが商売だし、研究にしても研究者同士のコミュニケーションがそれなりに取れないと困るので当然といえば当然である。


Y先生はその典型とも言え、とにかく知り合いを見つければまず一言以上は声をかける。それがどんなに目下の、私のようなペーペーでもだ。


そんな先生が酔っ払ったならば。それはやっぱり大分喋る。自分の人生経験について、教育にかける情熱について、学生についてその他もろもろ。


ちなみに先生は「兄が戦死し…」という時代生まれの方で、「女子学生は弓道などやるものではない。女性はなで肩が美しいのであって、鍛えた肩幅やいかり肩などもってのほかである」という思想をお持ちである。


他にも「男が『美味しい』『素敵』などとは口にすべきではない。男子たるもの『うまい』『いい』と言え」だとか「店員を呼ぶときに『すみません』というのは不適切である。忙しいところ悪いなぁという気持ちがあるにしても、お金を払う客の呼びかけは『お願いします』だ」など色々なお話をお聞きした。


前二つは男女差別といえる内容でもある。「素敵」はともかく「美味しい」ぐらい別にいいような気もするし、なで肩云々に至っては先生の趣味の問題である。しかし最後の一つはなるほどと思った。


高校生のとき「目上の方に『今日はお疲れ』と言われたら返事は『お疲れ様でした』ではなく『ありがとうございました』である」と先輩に言われたのを思い出した。


別に「お客なら何をしてもいい」という意味では決してないが、状況に応じた言葉の選び方というのは、このようにして日々知っていくのだなぁと思った。

*1:酔うとよく言うのかどうかは不明だが、ちなみに私の友人はもっと真剣に「ウチの息子の嫁に、あなたのような人が来てくれたらと、私は常々…」とやられていた・笑