『永遠の愛に生きて』

昨日鑑賞終了。今度映画化される児童文学の傑作「ナルニア国シリーズ」の著者、C.S.ルイスとその妻の実話を映画化したもの。先日授業でちょこっとだけ見て気になったのでレンタル屋で借りてきた。ちなみにタイトルは「とわのあいにいきて」と読む。
ルイスはオックスフォードの教授であり、「ナルニアシリーズ」で一躍有名になった童話作家でもある。しかし、何かと議論好きなオックスフォードの教授陣は、児童文学というもの自体を小ばかにしており、ルイスの著作も才能も認めない。普段なら彼ら同様、議論に燃え相手を打ち負かすプライドの高さを誇るルイスだが、ことこれに関してはあきらめ気味。そんな彼の元に、ある米国人女性からファンレターが来る。ふと興味を引かれたルイスは、兄の忠告も振り切り彼女からの「ロンドンへ行くので、お茶でも」との誘いを受ける。初めは「あまりかかわらないさ。お茶だけ飲んですぐ帰る」と言っていた彼だが、英国人にはない率直さを持つこの女性に惹かれ、やがて… という話。
内容はイマイチかも。というか、個人的には「え?なんでそうなるの??」という人物の心理やら「だから?」という展開やらもあり、うぅむ。。
テーマもよく分からなかった。率直な米国女性によって愛に目覚める皮肉な英国人のロマンス?なのか、「辛い人の祈りに答えない神は、人を愛しているのか」というテーマなのか???前者的には登場人物の心理が飛んでる感があってよくわからないところがあるし、後者は後者で中途半端。遠藤周作の『沈黙』のように、バッキリ神の存在に疑問を呈するわけでもなし…そんなかんじ。
それはさておき 私が興味を引かれたのは映像だ。英国の田舎の美しい風景、歴史あるオックスフォードの重々しく秀麗な建物、伝統行事や聖歌隊、伝統あふれる大学の教授や学生のローブ姿や授業風景。学校の全体的なイメージはハリーポッターの学校を想像すればよい。あれをもっと大きく、古く、よりアカデミックにしたかんじ。どれもがいい。個人的にああいう雰囲気がすきなので映像だけでもいい。
そしてなんといっても図書館!!あんな図書館が日本にもあればいいのに…使いづらいかも知れないが、あのレトロというかなんというかな雰囲気がよい!高くそびえた書架がずらーっと並び、壁のドアなし出入り口の上部はアーチを描き、木製の作り付けの棚に天井付近まで本が並べられ、同じく木製の梯子が立てかけてある。イギリス人に生まれたかった!?
なんというか、貴族の城の図書室みたいなああいう空間自体、すごく憧れます。しかもあれだけの量の本(うっとり) でも、読める言語じゃないとこまるので日本語版で誰か作ってください(笑)それでもって見た目はああで、その実最新式で検索とかしやすいとなおよし☆
ついでに、わざとらしいまでの表現の仕方だが、伝統的な英国人と米国人の性格というか精神も面白い。教授と学生は圧倒的な力関係で、米国人をバカにしていて、皮肉屋で、お茶好きな英国人。対する米国人は 直裁的、何かと訴訟など。私たちのイメージしやすい二国人が描かれていて、その対比が面白い。
そんなかんじで、写真集ならほしいけど、脚本はいらないかんじの作品。原作を読めば内容に関しては納得がいくのかなぁ。。