少女漫画マニア?

先日、メサイアコンサートの帰りの話。その駅発の、某私鉄に乗った。車内には、既に座っている人がちらほら。私の座った席の右には22〜3才位の女性、その隣に25〜6歳位の男性が座っていた。二人はどうやら、勤め先の先輩(男)と後輩(女)のようである。が、二人とも明らかに私服で、「今日はありがとうございました」という女性から察するに、男性がどこかへ女性を連れて行ってあげた帰りらしい。見た感じは今時よくいそうな、普通のセンスの服装の社会人カップル。聞くともなしに聞こえてくる会話が、なかなか興味深い二人だった。
女「プレゼントってどんなものあげるんですかぁ?」(クリスマスか?誕生日か??それにしても甘ったるい喋り方だ)
男「俺の彼女はなぁ(中略)こないだは本屋で『まるごと川原泉*1』を買ってあげて〜」(え?この人は彼女じゃないの?しかも彼女へのプレゼントがソレか!面白いカップルだ(笑))
女「え?それってなんですか?」(まぁ普通の反応だ)
男「えー知らないかなぁ?こぅ本一冊ぜんぶ川原泉の漫画で〜前号は○月に出てたんだけど、第2号がちょうど売ってたから買ったんだ」(やたら詳しいな)
女「川原泉ってどんな人なんですかぁ?」
男「『花とゆめ』とかに書いてた人で、(中略)はなゆめ*2は結構読んでたな〜今は『メロディー』だよ。あ、でも『メロディー』は毎月は読んでないんだ(後略)」(なんでそんなに少女漫画誌読んでるんだ?というか熱く語るなぁ)
女「え〜私はなゆめなら読んでたんですけどわからないなぁ」(おぉついていけないながらも頑張るなぁ。この人こういう男が好みなのか。。?)
男「代表作は〜『銀のロマンティっク…わはは』とか〜(中略)色々だよ」(この車内の空気を恐れずよくぞ「わはは」まで言ったなぁ(感心))
女「へぇ〜そうなんですかぁ〜」(他に返しようがないよな…)
その後も男性はそのネタを続け、結構濃い話をしていた。見た目は全くオタクっぽくもない、普通にお洒落な男性が、静かな車内で繰り広げる少女漫画話。別に世の中の少女漫画を読む男性全てがオタクとか、オタクのすべてが「らしい」格好をしているとか思っているわけでもないのだが、やっぱりちょっと異様(笑)周囲もやはり聞いていたのか、車内はいつのなにやらなんとはなしに微妙な空気に。
そしてそんな濃い話を披露する男性(彼女あり)に必死に話を振り 彼が何か語るたびに(しかもそれについていけていないのに)「へぇ〜」「すご〜い」とか相槌を打つ女性もちょっとすごい。雰囲気を見る限りでは(単に相当なぶりっこという場合を除いて)、彼女は彼に気がある模様。あんなに普通の若い娘(親父くさい言い方だ・笑)が、見た目は釣り合うものの、あの濃い男性に、しかも趣味が一緒とかでもない(彼女は漫画話にほとんどついていっていなかった)のに惚れ込むとは…
きっと表面からでは分からないよさ(というか「合う」部分)があるんだろうなぁ としみじみ。
それにしてもあの男性、なかなかの読書量(少女漫画限定)と見た。一緒にいた女性の態度とあいまって、いつの間にか思わず人間観察。これだから電車はおもしろい(笑)

ちなみに、私も川原泉好きです☆

*1:漫画雑誌。川原泉という漫画家の過去の作品を集めて雑誌にしてある。全3号

*2:花とゆめ』の略